緑のナンバーは道路運送法、貨物自動車運送事業法、貨物利用運送事業法での許可等を受けた事業者が自動車に付けられるナンバーのことです。
お金をもらって自分・自社以外のモノや人を運ぶのはすべて緑ナンバーが必要です。
道路運送法では
・一般乗合旅客自動車運送事業(路線バス)
・一般貸切旅客自動車運送事業(貸切バス)
・一般乗用旅客自動車運送事業(法人タクシー、個人タクシー、介護タクシー)
・特定旅客自動車運送事業(送迎バスなど)
貨物自動車運送事業法では
・一般貨物自動車運送事業(よく見る緑ナンバーのトラック運送事業)
・特定貨物自動車運送事業(特定荷主のみの貨物自動車運送事業)
貨物利用運送事業法では
・特定第二種貨物利用運送事業
いずれも法の定義では「他人の需要に応じ、有償でモノ・人を運送する事業」です。
だから自分・自社の荷物を運ぶのは白ナンバーで問題ありません。
他人の需要でも無償であれば白ナンバーで問題ありません。
①設備的要件
〔事務所〕運営拠点となる事務所の設置
◆ 営業所の使用権限を証明しなければなりません。
※賃貸の場合は賃貸借契約書、申請者所有の場合は土地建物の不動産登記事項証明書
◆ 都市計画法、農地法、建築基準法等の関係法令の規定に抵触しないこと。
※主に管轄市役所で市街化調整区域、用途地域の確認
◆ 適切な規模の営業所でなければなりません。
※従業員(運行管理者、ドライバー等の人員)が支障なく使用できるスペースの確保
〔休憩・睡眠施設〕ドライバーの休憩・仮眠所の設置
◆ 原則として、休憩・睡眠施設は営業所または車庫に併設。
◆ 乗務員に睡眠を与える必要がある場合には、少なくとも同時睡眠者1人当たり2.5平方メートル以上の広さが必要です。
◆ 休憩・睡眠施設の使用権限を証明しなければなりません。
※賃貸の場合は賃貸借契約書、申請者所有の場合は土地建物の不動産登記事項証明書
◆ 都市計画法、農地法、建築基準法等の関係法令の規定に抵触しないこと。
※主に管轄市役所で市街化調整区域、用途地域の確認
〔車庫〕使用する車両の駐車場
◆ 原則として、車庫は営業所に併設。
※併設できない場合は併設できない場合、営業所から10km以内
◆ 車両と車庫の境界及び車両相互間の間隔が50cm以上確保され、かつ、計画車両数すべてを収容できる広さが必要です。
◆ 他の用途に使用される部分と明確に区画されている必要があります。
◆ 前面道路については、幅員証明書により、車両制限令に適合しなければなりません。
※原則、車両幅の2倍の長さに50cm足した数値以上の道路幅
◆ 都市計画法、農地法、建築基準法等の関係法令の規定に抵触しないこと。
◆ 車庫の使用権限を証明しなければなりません。
※賃貸の場合は賃貸借契約書、申請者所有の場合は土地建物の不動産登記事項証明書
〔車両〕軽自動車、自動二輪を除く自動車(トラック)
◆ 営業所毎に配置する事業用自動車の数は、5両以上が必要です。
※使用する車両はトラックだけでなく、ライトバン(貨物車)でも可能です
◆ 計画車両の大きさ、構造等が輸送する貨物に適切なもの。
◆ 使用する自動車の使用権限を証明しなければなりません。
※車検証、譲渡証、見積書などで証明します。リース車両でも可能です。
②人員的要件
〔運行管理者〕車両5台につき資格を持った運行管理者の設置
◆ 常勤の運行管理者を確保しなければなりません。
※ドライバーと兼務することはできませんのでご注意下さい
〔運転者〕5名以上のドライバーの設置
◆ 5名以上の専属運転者を確保しなければなりません。
※車両数以上のドライバー確保が必要となります
※短期雇用や日雇労働者等は員数に入りませんのでご注意ください
※年中無休体制で運行する場合は、車両数×1.2倍の人数が必要です
〔整備管理者〕整備管理者の設置
◆ 常勤の整備管理者を確保しなければなりません。
※3級整備士の資格者または過去2年以上の運転者経験を証明でき、かつ整備管理者
選任前研修を修了されている方
※ドライバーと兼務することができます
③資金的要件
〔要件〕必要資金額の全額を自己資金で保有
◆ 一般貨物自動車運送事業許可を受けるためには必要資金額の全額を自己資金でまかなえること。
【自己資金証明方法及び必要資金額について】
自己資金とは申請直前の預金残高証明書に記載された額となります。
○ 自己資金(預金残高証明書記載の額) >必要資金額(①設備・車両費用+②運転資金)
1) 設備・車両費用
車両費、土地及び建物費、什器や備品費などを合算した金額を算出します。
尚、リースや賃貸借の場合には6カ月分を算入することで足ります。
2) 運転資金
2か月分の人件費、法定福利費、燃料費費、その他諸経費や各種税金や保険費用の
年額を合算した金額を算出します。
以前の一般貨物自動車運送事業許可の取扱いでは、法人の場合は、決算書から自己資金を算出しましたので、足りない場合は、資本金の増資手続きが必要でしたが、その必要がなくなりました。
運輸局の判断で、預貯金の他、申請日時点での見込み貸借対照表の流動資産も含められる場合もあります。
自己資金は、一般貨物自動車運送事業許可申請日以降~許可日までの間、常時確保されていることが要件となりますので、審査途中で自己資金が目減りしていると申請取下げとなることがあります。
④その他要件
〔法令遵守〕
申請者が貨物自動車運送事業法または道路運送法の違反により、申請日前3ヶ月間または申請日以降に、自動車その他の輪送施設の使用停止以上の処分または使用禁止の処分を受けた者ではないこと。
〔損害賠償能力〕
◆ 計画車両すべてについて自動車損害賠償責任保険又は自動車損害賠償責任共済に加入する計画のほか、任意保険の締結等十分な損害賠償能力を有するものであること。
◆ 石油類、化成品類又は高圧ガス類等の危険物の輸送に使用する事業用自動車については、当該輸送に対応する適切な保険へ加入するなど、十分な損害賠償能力を有すものであること。
任意保険加入の取扱いでは、以前は被害者1名につき5000万円以上の保障額が要件でしたが、現在の補償額は無制限となりました。