実習生として平成16年4月に来日した、ベトナム人女性(36)の話や、実際の顧問先企業の話によると、来日するための費用は約100蔓延かかり、銀行から借金をするケースが多いと言います。
ベトナム人女性の場合、実習先はとある県内の縫製工場。1日の労働時間は14~15時間で、休日は年に7日のみ。勤務実態は過酷と言わざるを得ない状況であった。しかも仕事内容に関して雇用主から「遅い」「雑だ」等と責められ、挙句の果てに帰国するよう強く迫られたと言います。
100万円の借金を返済するには、ベトナムでの賃金水準では不可能。祖国に残した10歳と8歳の子供達のためにも、日本に残らなければと会社の寮を逃げ出すことになります。
長時間労働、強制帰国の恐怖、上司や同僚からの暴力――
勿論、実習生側が就労条件などを十分理解しないまま来日したことが失踪の一因でもある。
法務省が平成17年に元実習生らに失踪した理由を聞いたところ賃金面の不満が目立ったと言います。失踪後に不法就労などで摘発されるケースも少なくありません。
様々な事情で実習先から失踪する実習生は、増加する一方ですが、そこからは今後解決しなければならない課題が見え隠れします。続く