資産家(故人)は、資産の全てを愛犬へ遺したいと、生前から周囲へ誰憚ることなく発言していました。
先月、当法人へご連絡いただいた、遺言作成に関する相談者(女性・70歳)は、相続人がいないということでした。
現在まで、結婚歴はなく、子供さんも、兄弟姉妹も、ましてや祖父母もありませんでした。
家族は、可愛がっているワンちゃん(トイプードル)。
当然、愛情の入れようも大変深いものです。
「愛犬に財産を遺せませんでしょうか?」
この問いに対する回答が、相談者の一番の関心毎なのです。
以前、アメリカ発のニュースで、飼い主の遺産(約200万ドル!)を相続した犬がいたと報じられました。
因みにアメリカでは多くの州で、飼い主の死後、ペットへ一定の財産を相続させる制度が認められています。犬には人間の子供と同じだけの権利が与えられているというアメリカならではの制度ですね。ペットへ遺産を相続するといったことを権利として認められるのが当たり前になりつつあるのがアメリカのようです。
日本ではそういうわけにはいきません。何故なら、日本の法律上ペットは「物」と定義されているからです。ですから、愛犬とは言え、飼い主の「所有物の一つ」にすぎないのです。
相続の規定がされている民法では、遺産の相続、遺贈を受けることができるのは「人」のみとされているため、ペットに財産を相続させることはできないのです。
仮に、遺言で「愛犬〇〇へ全財産を相続させる。」と明記していたとしても、法律上は無効ということになってしまいます。
しかし、相談者はそんな回答は求めていないことは、私共も十分承知しています。
では、「どのようにするとペットへ財産を遺すことが出来るでしょうか?」
その方法に関しましては、次回のブログまでお待ちください。